桂花園

先日のことです｡仕事の帰りが少し遅くなったので､一人夕食を取るために
自宅近くの牛丼店に行きました｡

店内は､その日行われていた､お祭り帰りの人々がおり､店内はそこそこ
混んでおりました｡

店内を見渡して､空いている席に座り､注文する牛丼を決め､チャイムを押し
店員さんを呼ぶが､混雑している為なかなか来てくれず､少し待ってから
再度チャイムを鳴らして､ようやく注文をとりに来てくれました｡

他にも､私と同様に待っていたお客さんがいましたが､そちらは待ちきれず､
帰ってしまいました｡

周りのお客さんも､この店内に立ち込めたピリピリムードを察して､なんだか
少し居心地の良くない店内｡

私は牛丼が運ばれてくる間､手持ちのiPhoneで､2ch等を見ておりました｡

そこへ｡

私の目の前に､一匹の小バエが｡

隣の一口､牛丼を食べるごとに｢うぅ~｣と唸るご老人や､親に｢急げ｣と急かされ
つつもゆっくりと牛丼を食べる男の子を､行ったり来たりして､何度も私の目の前を
飛び回る小バエ｡

いよいよ鬱陶しく感じた私は､机に止まった小バエ目掛けて平手を振り下ろした瞬間｡
シーンと静まり返った店内に｡

バーンっ!!!

更に静まり返る店内｡私一点に向けられる視線｡

Σ (ﾟДﾟ;）ハッ！

心の声｢いけない…このままでは､怒り狂った危険な人だと思われてしまう…｣

『あっ､あっ！ハエがぁ～…』

にっくき小バエを倒すために振り下ろされた平手である事を強調したくて､
わざとらしいボディーランゲージで､アピールするも､老人はだんまり｡
男の子は､急いで牛丼を口にかきこんで､早々に父親と店を出ていきました…

その後､牛丼を乗せたトレーを持つ､店員さんの手が震えていたのを､
今でもはっきりと覚えております｡

違うんです…あれは小バエを…

ちなみに小バエは仕留めていません…

text：山中

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